強迫性障害の2つの症状
■強迫性障害の2つの症状
強迫性障害には「強迫観念」と「強迫行為」と呼ばれる2つの症状があります。
強迫観念とは、頭から離れない考えのことで、その内容が患者様ご自身で「不合理」だとわかっていても、頭から追い払うことができない症状です。
このとき患者様は、この考えを無視したり、抑えつけたり、何か他の思考・行為によって考えないようにしようと試みます。患者様は、無意識にそう考えてしまうのではなく、ご自身の精神的なものだと認識しています。
強迫行為とは、強迫観念から生まれた不安にかきたてられて行う行為のことです。患者様ご自身で「やりすぎ」「無意味」とわかっていてもやめられないのが特徴です。その行為は、なにかしらの心の不安や苦痛を予防したり、和らげるためにしてしまうのですが、原因となる問題とは関連のない行為であり、やり過ぎてしまうことが多々あります。
- 不潔恐怖と洗浄
汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗い、入浴、洗濯をくりかえす。ドアノブや手すりなど不潔だと感じ、触れない。
- 加害恐怖
誰かに危害を加えたかもしれないという不安が消えず、新聞やテレビに事件・事故として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に確認する。
- 確認行為
戸締まり、ガス栓、電気のスイッチを過剰に確認する。
- 儀式行為
自分の決めた手順でものごとを行なわないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をしなくてはならない。
- 数字へのこだわり
不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる。
- 物の配置、対称性などへのこだわり
物の配置に一定のこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる。